





四六判 696ページ 2018年12月1日発行
これほどエキサイティングな『源氏物語』読解があったとは! 男女性差に基づくテキスト曲線を活用して『源氏物語』の現代性はもちろん、現代文学の、古典にまで遡り得る根源を解明する。
【目次】
第1回 ガイダンス講義/第2回 『桐壺』そして谷崎潤一郎/第3回 『帚木』そして『空蟬』/第4回 『夕顔』あるいは「女」/第5回 『若紫』と『末摘花』異形の女たち/第6回 『紅葉賀』あるいはプレからポスト・モダンへ/第7回 『花宴』から『葵』不吉な影が射すとき/第8回 『賢木』から『花散里』花が散るまで/第9回 『須磨』天上から海へ/第10回 『明石』海から天上へ/第11回 『澪標』海=生と欲動のエネルギーによって/第12回 『蓬生』と『関屋』媒介変数としての光源氏/第13回 『絵合』あるいはジャンルの掟について/第14回 『松風』と『薄雲』あるいは麗しき母系支配/第15回 『槿』から『乙女』世代交代の二重構造について/第16回 『玉鬘』物語と小説について/第17回 『初音』あるいはテキストを生きること/第18回 『胡蝶』と『螢』すなわち宙を飛ぶ物語/第19回 『常夏』と『篝火』そして中上健次/第20回 『野分』小説構造と枚数/第21回 『行幸』と『藤袴』ダブルバインドの魔境/第22回 『真木柱』あるいは近代的自我の柱/第23回 香る『梅枝』/第24回 『藤裏葉』偏愛と格調について/第25回 『若菜 上』因果とデジャビュ1/第26回 『若菜 下』因果とデジャビュ2 ~浅い証し~/第27回 『柏木』あるいはイカルスの墜落/第28回 『横笛』あるいは念の力/第29回 『鈴虫』と『夕霧』あるいは虫どもの世/第30回 『御法』と『幻』すなわち現世での終焉/第31回 『匂宮』あるいは同じ香のする/第32回 『紅梅』と『竹河』物語の始末/第33回 『橋姫』あるいはクライマックスの再来/第34回 『椎本』鏡像の顕在化について/第35回 『総角』あるいは恋愛という観念/第36回 『早蕨』そして三角と四角/第37回 『寄生』ふたたびの主人公論/第38回 『東屋』より「宇治物語」のテーマへ/第39回 『浮舟』まさしく女主人公の誕生/第40回 『蜻蛉』男女あるいは生死の影と光/第41回 『手習』そして文学者の姿/第42回 『夢浮橋』古代から現代への/後記